創業当時、佐伯 朗(1994年まで在籍 常務取締役技術本部長(当時))が海外製の渦電流探傷器の修理依頼を受けて海外文献を調査している時に渦電流の英訳:Eddy CurrentのEddy(エディ)から発想し、和文:エディオの読みを発案し商標登録しました。その後に英文のEDDIOも商標登録を行っております。
創業前の1955年頃に、創業者である原 司と佐伯 朗がフランス LEPGA社の渦流探傷器 STRACH GRAPHを参考にしながら、探傷周波数の切り替え容易性等を考慮した回路設計を行い独自に製作したものでEDDIOGRAPHと命名(型式はFE-1型)致しました。
国産初の渦流探傷器
線状きずや浅く小さいきずの検出に優れる、回転式渦流探傷装置の開発は1972年に佐伯 朗が非接触回転トランスの原型を構想し特許出願することから始まりました。同時に専用の直交交差結合型プローブの開発を行い、回転プローブ式渦流探傷装置を商品化しております。
ROTO-B型 回転プローブ式渦流探傷装置
回転プローブ式渦流探傷用電子装置
回転プローブ式渦流探傷装置は、小径用のROTO-C型では6000回転/分からスタートしましたが、1986年に8000回転/分の高速回転化を実現しました。回転プローブ式渦流探傷装置の市場普及に伴い、全長を検査することが当然のこととなり、お客様からは「より浅いきず」「より短いきず」の検出ニーズを提示されることが多くなったため、小径用に特化した12000回転/分のROTO-T型や、世界初となる8プローブ8チャンネルで8000回転/分を実現(16000回転/分に相当する)したROTO-2C型改を開発する等、お客様のニーズに対応した多くの回転プローブ式渦流探傷装置をお使いいただいております。
2000年前後からコンピューター技術を探傷装置にも適用することが可能となり、探傷電子装置のデジタル化が大きく進展しました。これにより探傷装置も使い勝手の向上や探傷データの活用方法が大きく変化しました。具体的には以下のような項目が挙げられます。
探傷感度を初めとした各種の操作、従来、作業される方が手動で設定を行い、記録を残して管理されておりましたが、探傷電子装置のデジタル化により自動設定、自動記録が行えるようになりました。更に探傷結果についても、自動的にデジタルデータとして記憶することが可能となったため、良品率、不良品率といった統計解析的な処理も容易に行えるようになっております。
現在のデジタル探傷電子装置の画面例
初期の探傷では記録紙(チャート)に探傷結果を残すことしかできませんでしたが、探傷電子装置のデジタル化により、きず長さの判定や円周方向のきず位置特定が容易に行えるようになりました。合わせてリアルタイムで保存した探傷データを探傷後に遡って確認したり、探傷状況を再現させながらきずの特徴を検証することもできるようになっております。これらの機能は、きずの詳細を確認することできずの発生原因を追及する取り組みからも有効性も評価されており、今後ますます重要度が増すと思われます。
お客様のニーズの多様化に対応して、熱間スラブ用探傷装置・ロール用探傷装置・レール用探傷装置等多くの装置・技術を開発~実機化して参りました。
今後もお客様のニーズをお伺いしながら、新しい技術・装置へのチャレンジも継続して参ります。